ケーススタディ(1)買いかえ特例か低率分離課税の選択(売却)

ケースによって買いかえ特例か低率分離課税か有利な方を選択

 15年間住んでいる住宅を1億円で売却し、5,000万円の住まいと5,000万円のアパートを取得する予定です。 「買いかえ特例」の
  適用を受けられると思いますが、税金はどうなるのでしょうか?
 あなたのケースは、買いかえる5,000万円の住まいの部分に、「特定の居住用の買いかえ特例」が適用されます。また、10年超所有の
  住まいの「低率分離課税」方式の選択も可能です。そこで、どちらの特例を適用した方が有利になるか検討してみましょう(売却した
  住宅の取得費は売却価額の5%、売却手数料を3%とします)。

計算例A
「居住用の買いかえ特例」を適用した場合
譲渡所得
(1億円-5,000万円)-1億円×(0.05+0.03)(住まい部分にかかる取得費)×(5,000万円/1億円)=4,600万円
所得税  4,600万円×15.315%=704.49万円(1)
住民税  4,600万円×5%=230万円(2)
譲渡税合計(1)+(2)=934.49万円

計算例B
「低率分離課税」を適用した場合
譲渡所得1億円-1億円×0.05-1億円×0.03-3,000万円=6,200万円
所得税6,000万円×10.21%+(6,200万円-6,000万円)×15.315%=640.23万円(1)
住民税6,000万円×4%+(6,200万円-6,000万円)×5%=250万円(2)
譲渡所得合計(1)+(2)=893.23万円

このように、譲渡税は「居住用の買いかえ特例」を適用すると、約934万円、「低率分離課税」方式にすると約893万円となるので、このケースでは「低率分離課税」の適用を受けるほうが有利といえます。